2017-10-10

Optoma NuForce BE Free8の長いレビュー

同社のBE6iが素晴らしいBluetoothワイヤレスイヤホンだったので、ケーブルが完全に無いワイヤレスBE Free8をMakuakeのクラウドファンディングで先行購入しましたのでレビューします。

愛用しているヘッドホンはMDR-CD900STとAKG K240monitor。
イヤホンはMDR-EX800ST。モニター系のフラットな音が好み。

10月13日に一般発売が開始されますが、結論から言うと
完全ワイヤレス未経験の人にはあまりおすすめ出来ません。


使用環境はiPhone5s(AAC)、MacBook各種(aptX)他

良いところ
・音質
・装着感
・遮音性
・低遅延
・繭型ケース
・イヤーピース
・バッテリー

悩むところ
・片耳使用は左のみ

悪いところ
・ホワイトノイズ
・接続性
・ケースの内型

総評
・完全ワイヤレスはまだまだ発展途上


良いところ

音質(オーディオプロでなければ満足できる音質)

完全ワイヤレスと考えると良い音質だけど、あくまでワイヤレスなので当たり前だけどピュアオーディオクラスでは無い。例えるなら有線イヤホンがwavやaifとすると、BE Free8はMP3-128kbpsぐらいの音質で16k以上の高域がガッツリCutされてる。ワイヤレスで圧縮してんだからそりゃそうだろうというツッコミは無しで例えという事でスマセン。でも有線で圧縮音楽聴いてる人にはわかりやすいと思う。ちなみにBE6iはAAC-160kbpsってところで音質は技術的物理的にどうしても有線>紐付きBT>完全BTとなるが、一般用途での音質を考えるとBluetoothイヤホンも有線と同等と言えるレベルまで来ている。高級有線>高級無線なのはどうしようもないけど、高級無線>中級有線な感じで「無線だから音質なんて気にするな」というのはもはや時代遅れ。

 音のバランスはaptXだとかなりの重低音ピラミッドバランス、低音好きにはおすすめだけど高域中域を大事にしたい人は要注意、フラットでもドンシャリでもない。そんなバランスなので高級イヤホンで感じる「こんな楽器鳴ってたんだ!」とか「同じ楽器なのに普段聴いてる音と違う!」みたいな感動は無い。BE6iは有る。

 篭ってる訳では無いけどMidの艶や、Hiの余韻が文字通り潰れてる。例えばリバーブや金物の「シャー〜…ン。」という聴こえる余韻が「シャー(低音ブリブリ)」となる。一般レビューにある高音がちゃんと出てるというのは「シャー」の音が出てるという意味で、Hiの気持ちの良い「〜…ン。」の余韻はかき消されている。高音のヌケが足りないという奴だ。念を押すけど決して篭った低品質の低音質という意味では無い。音質は良いけどバランスが重低音だという事。AACだとややマイルドになるけどそれでも重低音ブリブリ鳴らす系。SBCは知らない。

 あと地味で細かいけど重要な事で頭の角度で装着感が変わり、それによって音が変わる。装着の仕方次第だけど、下を向くとよりフィットして低音が増して、上を向くほどにシャワついてくる。

・装着感(4時間連続装着も問題ない着け心地)

人間工学設計の名に恥じない快適な着け心地。一般的なイヤーピースに変更可能なので自由に着け心地を修正出来るのも良い。ただしイヤーピースを交換するとケースとの相性が少々問題あり。

 付属のスピンフィットだとイヤホン本体と耳の接面積が多い関係、充電端子やサウンドホールの穴が肌に当たって微かにチクチクする。BE6iのイヤーピースにすると自分はスーパージャストフィット。SonyのEP-EX11も問題無くハマる。

 音質でも書いたけど、頭の角度で装着感が変わり、それによって音質も変わる。

・遮音性(良好だけど完璧じゃない)

密閉型なので耳栓してる感覚、付属のスピンフィットの遮音性はあまり高いとは言えない。スピンフィットから自分にあったイヤーピースに交換すればかなりの遮音性と言っても問題無い。遮音性が低いという人はイヤーピースを変えてみると良い。通勤に大変お勧めできる。

 密閉式で遮音性が高い分、低音がブリブリ鳴る。またその影響でフットノイズ(歩行低音)が鳴りやすい。装着感は素晴らしくランニングもズレなく可能だけど密閉型の弱点であるフットノイズがドンドコなる。

 また遮音性が高いがゆえに屋外でもホワイトノイズが気になるレベルで鳴る。

・低遅延(最高レベルだけどやや不安定?)

AACでもaptXでも現ワイヤレスで最高峰の低遅延でアクションゲームも問題無く出来るが、勿論完全に無いって事ではない。iPhoneのスト4CEではヒットエフェクトと(ほぼ)同時に音がなるのでちょっと感動。検証しながらヒットエフェクトを見て、これはズレてるのか?ズレてないのか?わからん!ぐらい遅延がわからん。けど流石に有線と比べると違いは明らか。

 色々なプレイヤーで試した動画視聴においては殆どわからんレベルなので遅延を気にする人には第一にお勧めできる。アクション、ドラマ、ミュージカル、LUNA SEAのライブ等々遅延は殆ど気にならず。映画「酔拳」だと遅延がありアクションは厳しいかと思ったが、酔拳の効果音自体が元々遅れてたのでイヤホンのせいではない。

 しかし、一瞬音飛びして明らかに遅延が増加する現象が出たりするので、まだまだ安定してるとは言い難い。

・繭型ケース(もう少し小さいと完璧)

購入前は繭型ではなくてもっとシンプルな平面やペンシル型が良いなと思っていたけど、意外や意外に丸みを帯びたやや平面の小さな繭型ケースは角や鋭利な部分が無いので衣服を傷つけず触り心地も良く鞄にも良い感じに収まってくれる。外からの力を丸みを帯びたケースが力を分散してくれるので折れ曲がったりする心配もない。ケース自体小さいのでポケットにもすっぽり入ってくれる。

 microUSB充電端子の場所も癖がないお尻にあるので、保護袋に入れながらのケース充電もバッチリ可能。

・イヤーピース(自由に選べる柔軟性)

スピンフィットの専用イヤーピースの装着性や音質は素晴らしいけど、装着感にも書いた端子のチクチク感があるので自分は別のイヤーピースに交換している。

 SonyからBE6iまで太さの違うイヤーピースに幅広く対応できる口径なので今使っているイヤーピースがそのまま流用できるのも大いに便利。色々なイヤーピースが試せて楽しい。ちなみにBE6iのイヤーピースは若干ブカブカ。Sonyの口径がジャストフィットかも。

・バッテリー(ケースありでもなしでも長時間)

単体4時間、ケース込みで最長16時間というロングバッテリーで全く問題ない。繭型ケースは上記の通り携帯性抜群なので電池残量に悩むことはほぼ無い。ちょっと外に出るだけだったり、通勤の行き帰りだけ使う程度であれば充電ケースも不要。その際は紛失に注意。


悩むところ

・片耳使用は左のみ可能

左がレシーバーになっているので、左だけの使用は問題無い。マイクも左側にあるので普通のヘッドセットのように使える。左側だけでマイクを使った通話も問題無く出来る。

 ペアリングをした後は電源を切らずに充電ケースに入れるだけでスリープ状態になり、ケースから取り出すだけでスリープ解除と同期が自動的に行われる、ハズだったんだけど交換した物だと調子が悪いみたいで左側のボタンを押してスリープ解除しないとダメっぽい。再生中は左を耳から外してもずっと音楽が流れており、ミュート(消音)にはならない。左を外すと右はNFMIの圏外となり右側だけでは音楽再生も通話も使用不可。

 右側はまず、左をケースから取り出してプレイヤーと同期させた後に、右のボタンを押して左と同期させる手順を充電ケースから出した直後は毎回必要になる。再生中に右を耳から外すとNFMIの圏外になり、そのまま一定時間するとスリープ状態に入る。スリープ解除にはボタンを押す必要がある。


悪いところ

・ホワイトノイズ(昔のラジオ状態)

この稀代の名機かと思ったBE Free8の良さを台無しにする…かもしれないノイズが鳴り響く。音質で書いた低音ブリブリだけじゃなく、ホワイトノイズで高音の美味しい余韻が台無しになっている。例えると「シャー〜…ン。」という聴こえる余韻が「シャー(低音ブリブリ)ザー(ノイズ)ー。」てな具合に…。ノイズが無いという人は当り機種?か、もしくは難聴の可能性大。

 屋内の静かな環境では完全に気になるレベル。人によっては気にならない人もいるだろうが、ノイズ自体が聴こえなかったら馬鹿にする訳じゃなく煽り抜きでリアルに難聴。難聴かも?ではなくて本気で難聴の可能性大(サーというホワイトノイズ、厳密にいうとパープルノイズは難聴が進むと聞き取り難くなる周波数)なので病院に行って耳を大事にした方がいい、イヤホンで音楽聴いてる場合じゃない。音作りを監修したこのなんとかさんはよくこれでOK出したな。もしかして難聴なのか、もしくはワイヤレスということで諦めたのか。

 ノイズの音量は一定でプレイヤーの音量を上げ下げしても変わらない。大きな音量で激しい音楽を聴けば掻き消され気にならなくなるが、小さい音量で静かな音楽を聴くとノイズがとても気になる。

 屋外では遮音性が良いとはいえ、多少なりとも外音と混じって気になり難くなるけどバッチリ聴こえる。しかしながら音楽聴いてるとノイズは全く気にならない。静かな曲だと今度は逆に遮音性が高いがゆえにノイズが気になる。外音に混じって気にならないとか、遮音性が高いから気になるとかどっちやねんって感じだけどほんとそんな感じ。

 初期不良として交換した2台目もホワイトノイズは変わらず。残念。

・接続性(紐付きBTより不安定)

一つのデバイスで使うのであれば特に問題ないけど、AACだったりaptXだったりの機器で使い回す時は少々面倒。

 電波的にも室内だと反射して安定するが、反射物がない開けた屋外だとレシーバーである左耳の対角上の右ポケットになると電波が反射せずに完全に途切れる。1m前後の僅かな距離を人体で遮る程度で完全に途切れる、一瞬音飛びとかじゃなくて完全に。右手に持って前を向いて手を振りながら歩くと♪〜無音〜♪〜無音〜♪〜無音〜とリズムよく途切れる。個人的にホワイトノイズはまだ音楽が聴ける分マシだが(音質自体はとても良いし)、途切れるとなる根本の問題になるから一番辛いダメなところ。胸ポケットなら安定するって胸ポケット無いなら使えないみたいな事だし。

 初期不良として交換した2台目も電波強度は変わらず、iPhone5sを右ポケットに入れてBluetoothの電波が途切れる現象は残念ながら仕様でした。完全W/Lイヤホンはかなり電波が弱くウォーキングやランニングに満足に使えません。

 そういった事で電波影響が無さそうな開けた屋外より、電波影響がありそうな電車内の方が安定する。

・ケースの内型(イヤーピースはめ込み穴が小さい)

専用のスピンフィットであれば全く問題ないけど、イヤーピースを交換していると充電ケースのハマり具合に支障が出る。充電自体は全く問題ないのだけど、イヤーピース穴がスピンフィットの口径なのかBE6iイヤーピースだとケース内で引っこ抜け、Sonyだと台風の傘状態になる。MサイズでそれなのでLサイズになるともっと酷い事になる。この辺は次の機種で対策してほしい。繭型ケース自体はスコブル便利なので頑張ってもらいたい。



 総評としては完全ワイヤレスとして完成度は高いものになっているけども、完全ワイヤレスだから許されてるとも言える。実際ホワイトノイズや電波の不安定さは完全ワイヤレスに慣れていないとハッキリ言って欠陥品でしかないので完全ワイヤレス持ってない人はまだ買わない方が良い。

 完全ワイヤレスの快適性は数万出しても満足出来るものだけど、そもそも電波が悪くなって音が出なくなるとなっては本末転倒なのでもうちょっと改良されてから買った方が良いと思う。

 別会社の別商品の話になるけど、Bose製品は公式HPで買った商品は全品30日客都合で(音が好みじゃないという理由でOK)返品可能だった気がするので、試しにBose製品を買ってみるのもいいかもしれない。もしかしたら変更されたかもしれないので返品できなくても責任は持たないが。